ヤマメ・テンカラ奥義

竿・糸・毛針…最もシンプルで最高に釣れるレベルラインのテンカラ釣り奥義をご紹介します
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テンカラ奥義、ブレークスルーの一日

JUGEMテーマ:渓流釣り


 その日は考えられる限りのナイスデイでした。
 西丹沢のホームグラウンドの沢に降りたって、状況を見る…

 この釣り始めのひと時は、期待と緊張が混じり合って、何度体験しても胸が高鳴ります。
 気を静めるために一服する。もちろん、携帯用灰皿持参。

 吐き出した煙が気流にも流されず、目の前に漂っている。
 最高の無風状態だ!

 梅雨時には、このような無風状態のテンカラ日和が少なくない。
 毎日の天気状況をチェックして、笹濁りであろう日を選んで、やってきました。
 水の状況もGood !

 昨日巻いたばかりの新作毛針を試してみるつもりです。
 なぜか、妙に釣れる予感がしました。

 3メートルの渓流竿に5.5メートルの15ポンドテスト(4号)のルアー用ライン、ハリス1.5号半ヒロ(70〜80センチ)
 毛針は、ピンチョロ虫を模したニンフ風ですが、テールなし、胸部をピーコックで表したオリジナルの黒いニンフです。
 フライの分類からいいますと、ウエットですね。水面下2〜3センチを流します。

 前後左右の空間を確認してから振り込むと、風がないのでねらい通りのポイントにふわりと落ちました。
 テーパーラインと違って、ラインが軽いので、毛針周辺以外は水に浸かったり水面に浮いたりしません。

 想定した就餌点までスイスイと2回引いて、ヒットポイントでは気持ちスイーと半呼吸の間をおいてピックアップする直前に、ヤマメがヒット!

 1投目からの当たりです。
 型は小ぶりの15センチクラス。
 写真を撮って、リリースしました。

ブラックニンフにヒットした

 一発でヒットすることは時々経験しますが、先行者がいないということで、いやが上にも期待が高まります。
 私は、クマザサの葉を一枚採って、サインペンに日付と時間そして「テンカラ」と記し、足下の岩の上におき、小石を載せて、後続者への目印を残しました。

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テンカラ奥義、ブレークスルーの一日(2)

  遡行開始地点は正面が岩場となっていて、沢がクランク状に回り込んでいます。
 その曲がり角の落ち込みに毛針を投入しようとすると、
 岩陰から毛針が出たとたんに風圧を受けて、手前に押し戻されてしまいます。

 無風のはずなのですが、どうやら水が落下して起こる風圧が局部的な気流を作り出しているようでした。
 何回プレゼンを繰り返しても、岩陰から毛針が出たとたんに、押し戻されます。

 仕方がありませんので、少し遡上した地点から、落ち込みの50センチほど上流部に毛針を落とし、
 いったん白泡の中に毛針を沈み込ませ、水底からニンフが羽化のために水面に浮き上がるイメージで、
 スイスイスイと3回アクションをつけ、岩陰で見えなくなる寸前でピックアップをすると、

 ブルブルという感じで、良型のヤマメがヒットしました。25センチ弱のきれいなヤマメです。
 2枚目の写真を撮るとともに、今晩の酒の肴にキープしました。
 私は、家族の人数分…5匹だけは、持ち帰ることにしています。

 ここのポイントは、終わりなので、ヤマメの処理をここですることにしました。

 ・ヤマメの頭部を指パッチンすると、気絶します。
 ・ステンレスのナイフで素早く腹を割き、ワタを抜いて血を流して
 ・クマザサの葉を魚体の両側に貼り付け、頭部と尻尾にもクマザサを巻き付けて、葉の軸の部分を巻き付けの下に差し込んでOK。

 これで、ボウズのプレッシャーからは解放されました。
 余裕が出てきて、落ち込みの上手に移動しました。

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テンカラ奥義、ブレークスルーの一日(3)

JUGEMテーマ:渓流釣り

  もう一つのポイントは、対岸に接している岩周辺です。

 偏光グラスを通して、観察してみると、岩に流れが当たる部分に小さな反転流があり、対岸の崖の岩の下がえぐれてそちらにも緩やかな流れが通っているようでした。

 井伏鱒二の「山椒魚」ではありませんが、どうもこの岩穴に大型が潜んでいるように思えます。
 試しに、岩の手前の本流筋に毛針を流してみましたが、あっという間に流れ去ってしまいます。
 流れが速すぎて、毛針を沈めることすら出来ません。

 次に、岩の後方部の渦巻き流を攻めてみましたが、アタリはありません。

 最後に、崖下の岩穴にトライすることにしました。
 ちょっと見ただけでは、岩の下がえぐれているようには見えません。水面下でえぐれているのですが、水流をよく観察しないと分からないポイントで、誰も攻めていないだろうという感じがします。

 私の脳裏には、初めてテンカラでヤマメを釣った光景がフラッシュバックしていました。

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テンカラ奥義、ブレークスルーの一日(4)

JUGEMテーマ:渓流釣り

  合流点から上流は、川幅が少し狭くなり、樹木が多い茂っているような場所が多くなります。

 私はラインを12ポンドテスト(3号)の蛍光イエロー・ライン3.8メートル+ハリス1号70センチに付け替えました。後方の引きがなくとも、自由に毛針を振り込める長さですね。

 竿も予備竿の3.3メートルに替えます。
 この竿は改造竿で、少し柔らかめです。竿の弾力を利用して、スナップショットで軽い糸を飛ばすためです。
 この竿では、8メートルのラインは上手く飛ばせませんが、軽いラインはこちらの方が具合が良い。

 次の写真は、上が竹株師推薦の超硬調テンカラ竿。下は、やや軟調の改造竿です。

超硬調がま源流(初代)3.0メートル
 超硬調テンカラ竿

改造テンカラ竿中硬調3.3メートル
 やや軟調テンカラ竿

 上流部はクモの巣との戦いでした。ポイント付近のクモの巣や、後方にある木の枝周辺のクモの巣など、最初に縦横にラインを振ってクモの巣を取り除いてから、釣りに入ります。
 この時に使う毛針は、良く飛ぶように太軸で、ハックルはごく少量、色はクリーム系で、針先は折ってあります。木の葉などに不用意に引っかけないためです。

 この時は、富士式の捨て針釣法、あるいは桑原式空中釣法を兼ねて、クモの巣刈りをしているのです。
 ラインに付いたクモの巣は処理が面倒ですので、いったん毛針を切り離し本命毛針に付け替えます。
 

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エサ釣りからテンカラへの転身

JUGEMテーマ:渓流釣り

  私のエサ釣りは五日市の秋川から始まりました。
 体調を整え、3月1日の解禁日、解禁の合図を待って釣り人が一斉に竿を出します。

 ところが、30分くらいで3、4匹のヤマメを釣った頃になると、くしゃみ・鼻水・悪寒が始まり、目がかゆくなり涙が止まらなくなる。
 そう、ひどい花粉症だったのですが、当時は風邪をひいたと勘違いしていました。しっかりと体調を整えていたのに、残念!という後ろ髪引かれる思いで、早々に退散を余儀なくされました。

 そのようなシーズンが続き、やむなく5月の連休以降からの渓流釣りとなりました。ところが、小さな秋川では、放流されたヤマメはほとんど根こそぎ釣られまくって、この時期にはほとんど釣れないのです。

 午後になって、かなり上流部まで遡行していた私は、面白いことに出会いました。
 仕掛けの目印に向かって、小さなヤマメがピョン、ピョンと飛びつくのです。流している川虫エサには気付かず、目印のシモリ玉に食いつく…。

 そんなことがあって、私はエサ釣り仕掛けの目印に鮎の毛針を枝ス式に結び、エサ・毛針仕掛けを作り、試してみました。
 けれども、この両刀使い方式は、どっちつかずでしたので集中力が散漫になり、失敗に終わりました。

 これがきっかけとなり、テンカラ釣りの研究が始まったのでした。

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小林流ハイパー・テンカラの極意(1)レベルライン

  私のテンカラ技術を短い文章で解説し尽くすことは難しいのですが、要点をまとめてみます。

(1) 極限まで軽いラインを使い、ピンポイントに毛針をフワリと落とす技術。
(2) ヤマメの定位する場所と、就餌点を見極める経験値の蓄積。
(3) 毛針の操作と合わせの基本。
(4) 宮本武蔵に学ぶ周辺視の極意
(5) ストーキング、木化け・石化け。
(6) 情報収集

 思いつくままにリストアップしましたが、だいたいこの5つ+1に分類できるかと思います。
 皆様が真っ先に飛びつく毛針の項目がないじゃないか、と思われるかもしれませんね。
 ルアーでも、毛針でも、タナゴの連珠目印でも、真っ先に釣れるのは人様なのですが…

 今回は、レベルラインのノウハウについて述べてみたいと思います。

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ハイパーテンカラ(2) 定位点と就餌ゾーンそして水況

JUGEMテーマ:渓流釣り

  釣りは、俗に「1場所、2エサ、3にウデ」と言われます。

 魚のいるところに仕掛けを投入しないと釣りになりません。
 メジナ釣りの場合は、「コマセ3年、潮読み5年」というように、魚を寄せる技術がありますが、ヤマメの場合は居着いている場所を見分けることが大切ですね。

 以前、ミミズを細切れにしてコマセとして、大淵のアマゴを寄せて釣っている人の記事を読んだことがありますが、とんでもない話です。

 渓流魚、とくに雪国のイワナなどはエサが少なくて、春先に釣ってもやせ細っています。
 常に腹減らし状態の渓流魚に生きエサを見せれば、飛びつくのは必定、釣れて当たり前なのです。
 コマセで狂わせて釣るなど、大馬鹿野郎のやることだと思います。
 
 テンカラを知る以前の私は、エサ釣りをやっていました。

 しかし、エサ釣りの経験が、ヤマメの習性を観察するのには大いに役立ったのです。

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ハイパーテンカラ(3) 毛針操作と合わせ

JUGEMテーマ:渓流釣り

 フライフィッシングでは毛針を自然に流すナチュラル・ドリフトを重視しますが、テンカラではアクションをつけてひくのが普通です。

 この違いはどこから来るのかと言いますと、直接的には毛針の違いがもたらすものですが、根底には西洋と日本の文化的な違いが横たわっています。

 フライフィッシングの毛針は精巧で緻密に作られたイミテーションですので、あくまでも自然に流して魚にエサだと思わせる…リアリズムの世界ですね。人間の目から見たリアリズムということです。
 緩やかな流れで、キャッチ&リリースで学習したトラウトは、ラインの張力で不自然に動く毛針を極度に警戒する、ということもあるでしょう。

 フライマンはマスの胃の内容物をスポイトで吸い出して、どんな虫を補食しているのかをチェックし、それに似たフライを使用します。科学的な分析思考で組み立てられた釣りです。

 けれども科学というのは分別の学であり、本質的なものを直感的に把握する東洋的な思考とはアプローチが全く異なります。

 和式のテンカラ毛針は一見して素朴で、逆さ毛針など実にファンタスティックで、どんな虫にも似ていません。無造作に巻かれた胴に蓑毛(みのげ)がパラリという感じ。

 簡略化というにはあまりにも大胆な省略。西洋のフライフィシャーが見れば、すごくプリミティブだと思うでしょうね。
 そして、漁師のテンカラを見ると、こんどは「何だ、これは!」と驚くのではないでしょうか。漁師が操る毛針は命を吹き込まれたように、融通無碍に動き回るからです。

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巨大山女魚?!の謎

JUGEMテーマ:渓流釣り
 
 ずいぶん前のことなのですが、私のホームグラウンドである西丹沢の世附川(よづくがわ)のある場所で信じられない光景を目にしたことがあります。

 シーズン最後の釣行で、山の方は早い紅葉が始まっていました。
 春から首都圏の釣り人に攻められ続け、お目こぼれ程度にしか釣れないだろうなと考えて、少し遅めに現地に到着して、釣ることよりも山と渓流を楽しみながら拾い釣りをする感じで川を遡行しました。

 それでも、20センチオーバーの山女魚が釣れたりして、例のごとく家族の分だけキープできました。
 ただ、時期が遅いためか、山女魚のいくつかは産卵前の姿になっていました。17、8センチの小ぶりの山女魚でも、鮭の鼻曲がりのように上あごがカギ状に下あごの先に覆い被さり、頭の一部や体側が黒ずんだところが目立ち、ミニ鼻曲がりという風情があります。
 盛期のころのきれいな姿でなく、オスは精悍で怖い感じすらしました。


 秋の夕日はつるべ落としというほど、日暮のくれるのが速いので早々に納竿して、帰り道を急ぎました。

 そして、朝最初に毛針を振った大きなプールにさしかかったところ、数人の釣り人が何やら熱心に竿を振っているのです。
 朝ちょっとだけ8メートル・フルラインのテンカラを試してみましたが、すでに先行者が釣った後らしく、岩の上から私のテンカラを眺めている人がいました。先行者のすぐ直後では、魚がアタックする確率はほとんどないと判断して、2、3度プレゼンしただけで、上流部に場所替えをするべくその場を離れたのです。


 その場所に、5人ほど釣り人が張り付いて釣っている。

 声をかけて近寄ってみると、理由が分かりました。というか、訳が分かりませんでした。というか、すごいのです。


 なんだと思いますか?


 暮れの頃になると魚屋さんに並ぶ新巻鮭ってご存じですよね。
 あれくらいの大きさのサケ科の魚が3、4匹、悠然とプールの中を泳ぎ回っているのです!

 どう見ても、鮭にしか見えません。しかし、こんな山の中ですから、鮭はいるはずがない。
 とすると、降海型の山女魚が年を越して巨大化したものなのか、
 あるいは、3倍体マスが放流されて、巨大化したものなのか?


 とにかく、サケのような魚が泳ぎ回っているのです。
 そして、釣り人はそれをねらって結構長い時間がんばっているようでした。

 というのも、彼らは巨大魚に興奮はしているようですが、初めて見たときのような驚きはすでに漂わせていなかったからです。


 しばらく私も見ていましたが、釣れる様子はありません。

 それで、皆さんに断って、私も毛針を振るわせてもらうことにしました。超硬調のイワナ竿に、2.5号のハリスですから、何とかなるだろう…と、

 しかし、巨大魚たちは全く餌や毛針に関心を示さないようです。

 しばらくやってみて、だめだということが分かりました。観察してみると、
 お互いに見えているし、これだけの釣り人に周囲から攻められているから、警戒しているのだろうか?
 …と思いましたが、全く違うことが分かりました。

 魚たちは、産卵行動に入っていたのです。

 産卵前の雌が1、2匹いて、3匹ほどの雄がその周りを争うように泳ぎ回っているのでした。
 餌どころの話ではなかったのですね。


 私は、釣り具をしまって、もう少しだけ観察してみることにしました。

 すると、向こう側で釣っていた二人組の一人が、巨大魚の一匹をヒットさせました。
 オオ!と思って、見ているとどうも様子が変です。彼らが使っているのは鮎のコロガシ竿に、遡上サケの引っかけ仕掛けだったのです。


 関東ですと、茨城県の那珂川下流で、天然遡上のサケを特製コロガシ仕掛けで釣るのを見たことがあります。
 鮎釣りをしていると、ときどき水底に引っかかっているこの仕掛けを引きずり上げることがあります。その仕掛けで、彼らはこの巨大魚を引っかけていたのです。


 何ということをやる連中だろうと、残念に思いました。
 たぶん、前の日にでも、この巨大魚の姿を目撃して、やはり攻めてみたが全く餌に見向きもされなかったのでしょう。

 それで、サケのコロガシ仕掛けを用意して、やってきたのだと思います。道具立てが、まったく山女魚釣りのそれとは大違いだったので、それがわかります。


 引きずり上げられた魚は、やはりサケのようであり、大きさは80センチくらいかと思います。
 残念ですね。
 このまま産卵をさせてあげれば、彼らの子が孵化して、また来年以降楽しませてくれるのに…
 禁漁期をもっと早くしないと、駄目なのかなぁと、考えてしまいます。


 それにしても、こんなに大きくなるには1年では絶対に無理でしょう。最低でも2年、それでも30センチがいいところ。どうしてこんな大きなサケ科の魚が突然出現したのでしょうか?

 直径が十数メートルの大場所だといっても、どうやって80センチもの魚が潜んでいたのでしょうか?
 それまでに、釣られるということはなかったのでしょうか?そのようなニュースは聞いたことがありません。


 いったい、あれは何だったのだろうか、という疑問が今も残っています。
 この話に関して、何か情報がありましたら、ぜひお寄せいただきたく思います。

 


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近況報告

JUGEMテーマ:渓流釣り 


 仕事の関係で千葉の外房に引っ越しをしてからは、渓流に行くことがほとんどなくなりました。千葉にも渓流らしきところはありますが、渓流魚は生息していません。

 外房地区ですと、どうしてもメジナや黒鯛の磯釣りがメインになりますし、家の近所ではタナゴ釣りができますので、子供の時以来のタナゴ釣りに結構はまっていたり。

 【タナゴ釣り奥義

 それで、私が尊敬する神業の持ち主竹株渓遊師匠が、このブログを目にされたということをコメント欄で知り、あわててコメント・トラックバックの設定をするために記事を書いています。

  コメントの日時からすると、テンカラサミット2009のご案内かと思います。ネットで情報検索をして、初めて気がつきました。

 私が初めて竹株渓遊師とお会いしたのは、奥多摩で開かれた「テンカラ・フォーラム」でした。
 この集いは堀江渓愚さんが呼びかけ人となり、当代第一人者のテンカラ師匠をお呼びして、交流がてら釣り技の実技を学ぼうというようなものでした。

 講師として呼ばれたのは、竹株師の他には、富士式でしられる富士さん、逆さ毛針の天野さんでした。テンカラサミットの写真を見ますと、ご両人ともその後の年数を感じましたが、竹株師は変わっておりませんね。

 当時の私はレベルライン・テンカラのかけ出しの頃で、神業の竹株師は雲の上のような人でした。当然、気軽に話せるような状態ではなかったのですが、やっと手に入れて持参したがま源流竿にサインをいただいて、大変感激しました。

 その日の夜はバーベキューで野外パーティー、そして翌日は実釣ということでしたが、われわれ竹株流レベルライン組は他のグループと少し離れての釣技チェックとなりました。

 それというのも、竹株流はラインが長く半径10メートルはラインが行き交いますので、人間を釣ってしまうおそれがあったからです。


 そこで、一人一人川に向かって毛針を振って、空合わせなどくれて、実釣形式でテンカラの技を師にプレゼンテーションしたわけです。

 私は毛針が飛ばない独習期の強い前振りの癖がまだ残っていて、竿がビュッと音を立てるのを指摘されました。師の前での試技ですから、力が入っていたのだと思います。


 それと、ラインのことですね。私は師から送られたユニチカのハイループを使用せず、柔らかさがあるバリバスのスーパーソフトを使っていました。
 ハイループは関東地方では売っておらず、換えがきかないので、同じライトブルーのバリバスを50メートル巻きで買っていて、これで練習していましたので。

 ハイループは一度も使っておらず、バリバスより堅い感じがして、本番で違和感を感じてはいけないと思い、バリバスでやらせていただきました。
 竹株師は私の仕掛けをご自身で振ってみて、ラインの感じをチェックしていましたが、とくに何もなかったようで、しばらく私のテンカラを見ていて、「小林さん、合格や!」と声をかけて下さいました。

 まだかけ出しのテンカラ師だった私には、大変うれしい合格宣言でしたね。
 それからはレベルライン一筋にやってきましたが、三重の渓流と比べ、入渓者が多く上流域の釣りを強いられる首都圏の釣りとは、条件も違ってきます。


 土佐の丹吉バリで作られたごっつい毛針と、2.5号のハリスというスタイルではなく、私流の細長いキス鉤の毛針と1.5号のハリスなど、都ぶりになっています。

 その辺を師匠はどう思っておられるか、とにかく縦横にラインを繰り出す豪快な釣りの師匠ですから、大合わせでアマゴが空を飛ぶのがいいんだよ、と思っておられるかもしれません。

 テンカラ・サミットのお元気なお姿を拝見して、私も安心しました。

 ずっと若い私ですが、左足の付け根が痛くて渓流を歩けない状態で、せっかくのレベルラインテンカラができないのが残念です。少し歩くと、痛み出してきて、普段でもあぐらをかくことができないという50肩ならぬ60股とでも言う感じです。

 でも、竹株師のがんばりで、レベルラインが確実に広がっているようで、心強いものを感じます。

 

 
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